GENKIな会員企業のご紹介

 

NPO法人「子ども未来」 代表理事 辻本加平氏にインタビューしました。
 

社名:NPO法人「子ども未来」
設立:平成29年4月 設立
役職:代表理事
住所:大阪府堺市堺区甲斐町東二丁1番6号
HP :https://kodomo-mirai.ne.jp/

事業内容

子ども達の未来のため「貧困の連鎖を断ち切る活動」
優良塾に6割引で通える学習制度
子ども食堂

会社の誕生

 

 

貧困による学力格差をなくす
現在、子どもの貧困は7人に1人に及び、特にひとり親世帯の過半数は貧困状態です。親の収入が一定であるのに対し、子どもの教育費用は小学校高学年ごろから増え続けていきます。ひとり親世帯の約69%が経済的な理由で子どもの「塾・習い事」をあきらめたことがあるとの結果も出ています。
私は23歳から塾など教育の仕事に携わり47年が経ちました。長年教育現場にいたからこそ強く思うのですが、教育を受ける機会は公平であるべきです。政治・行政だけの問題ではなく、我々1人1人が真面目に考えて、行動する必要があります。
NPO法人「子ども未来」では、貧困による学力格差をなくすため6割引で優良塾で学ぶことができる制度を作り上げました。もちろん、奨学金のように後から返済が必要になることはありません。目指すのは「教育を通じた子どもの貧困問題」の是正です。
6割引で塾に通える制度は多くの優良塾のご厚意と、支援者の皆さまからのご寄付で成り立っています。
まずは多くの優良塾が考えにご賛同いただき、入会金の免除や月謝や夏期講習などの費用を割引価格で提供してくださっています。さらに子ども達の未来を応援してくださる皆様のご寄付により6割の負担軽減を実現しています。

子ども達のヤル気とお母さんの笑顔
今年(2019年)の春からスタートさせたばかりのこの制度ですが、さっそく驚きがありました。利用していただくために、親子での面談とお子さんのテストを実施していますが、どの子ども達も意欲的で非常にレベルが高いのです。この子たちが日本を変えてくれたらいいな、と本気で期待が持てる子どもたちが集まっています。
改めて、こういった意識の高い子ども達の学習機会が、貧困を理由に奪われることは大きな国の損失だと感じます。「塾はあきらめていましたが、6割引なら頑張ってみます」とおっしゃるお母さんの笑顔も忘れられないですね。今後は年3回の面談を通してお母さんの心と、子どものやる気をサポートしていきます。
全国に広がる可能性は十分にあります。実は、この制度を実現するヒントは2017年にスタートさせた子ども食堂でした。子ども食堂では、20名以上のボランティアの方、100名以上の協賛者の方のご協力のお陰で毎回約50名の皆さまに温かく美味しい料理を提供出来ています。
皆さん、誰かの役に立ちたいと思っている。でも、具体的に何をしたらいいか分からないんです。そんな時に、誰かが声をあげると多くの善意が集まることを知りました。何かしてほしいと言えばしてくれる人がいる。世の中には良い人がこんなにいるんだ、と私自身も嬉しい気持ちに包まれました。この経験があったからこそ、長年温めていた「貧困の連鎖を断ち切る活動」をスタートする目処がたったのです。
アメリカの心理学者の研究によると「人間は自分のためにお金を使うよりも、他人のために使うことで脳が幸せを感じる」というのです。つまり、良いことをすると脳が喜びます。誰かのための行動が、自分のためにもなっているんですね。

入会のきっかけ

 

 

良い出会いが倫理の魅力
倫理法人会には65歳で入会しました。実は、それよりも前に講話者としてお招きいただきお話をすることがあったので会のことは知っていましたが仕事柄、夜も遅くなかなか参加できないことを理由に入会はしていませんでした。塾が落ち着いたこともあり、前々からお誘いも受けていたので、入会を決めました。

転機となるような学びは?入会してよかった?

 

 

おそらく、30代、40代で入会した方と65歳で入会した私とでは感覚の違いはあると思います。正直に言えば、これまで様々なセミナーなどで学んできましたので、これといって新たな発見や驚きがあるということはありませんでした。
栞に書いてあることもだいたい「知っている」という感じでした。ただ、「知っている」と「出来ている」は違いますからね。まだまだ、「知っているけど出来ていない」ことはあるので倫理を学び続ける意味はあります。講話の好みも30代、40代の方とは違うかもしれません。私からすると、誰かの言った名言や教訓よりは、その人が体験したその人にしか語れないリアルな話を聞く方がずっと楽しいですね。
あとは、何と言っても意欲のある若い方との出会えるのが倫理の魅力です。倫理で出会った若い方とご飯を食べに行くのは楽しいですし、私の人生経験が何らかの形で役に立てば嬉しいですよね。

特に最近は会員からの紹介ではなくHPを見て来場される方も多いですよね。何か理由や目的があって来られているでしょうから、やっぱり放っておけないです。小さなことでも相談に乗って喜んでもらえれば、それが私の喜びにもなります。誰かに頼まれた訳ではなく、自分が好きだからやっているだけですけどね。

倫理法人会で学ぼうとしている 経営者のみなさんへのアドバイス

 

 

「行動力は素直さである」という言葉があります。素直な人は良いことを学べばすぐに行動します。行動すれば成果が生まれ、良い習慣が身につきます。
あとは、“何となく”目標や目的地を決めて、“何となく”あそこにいけたらいいな、と思っていると、行動も“何となく”になってしまいます。明確であれば早く目標にたどり着けます。出来たらいいな、では、いつまでたっても出来ないまま。大切なことは「やる」と決めることです。

私自身が「やる」と決めていることは本当にたくさんあって80歳でこうなっている、90歳でこうなっている、100歳でこうなっている、という未来も書面にしてあります。まぁ、その中でも、80歳で「ガールフレンド3人以上」は必達です。

まぁ、「ガールフレンド」のくだりはそれは半分冗談として(笑)でもね、70歳になってみて、まだまだ自分に「のびしろ」を感じるんです。これって凄いことでしょ?たいていこの歳になれば過去を語る人が多いと思います。でも、私は未来を考えて語るのが楽しいんです。未来を語るのは生きている人間の証ですよ。

今後のビジョン

 

 

すべての子ども達の父と母になる運命

私たち夫妻は、子どもに恵まれませんでした。「子どもを授からなかった人は、すべての子ども達の父と母になる運命を神様から授かっている」と言われています。私は、子ども達の幸せな未来の実現のために、NPO法人「こども未来」を立ち上げました。

私一人の力はとても小さいものですが、皆様と力を合わせることでたくさんの子ども達を笑顔にすることが出来ます。スタートしたばかりの制度ですが、このプロジェクトは子ども達の未来のために途中で終わらせるわけにはいきません。絶対に成功させます。

皆さま一人一人の優しさを子ども達の笑顔に繋げるこの活動に興味をお持ちいただけたなら、ぜひ一緒に貧困の連鎖を断ち切りましょう。よろしくお願いいたします。

【取材 実行委員 松本圭太/堺市倫理法人会】
【カメラマン 株式会社PhotostudioS 杉谷昌彦/堺市北区倫理法人会】

堺市のMSでは受付として真っ先に参加者をお出迎えしてくれる加平さん。
新入会員に積極的に声をかけ、ひとりぼっちの不安を取り除いてくれます。
僕自身、倫友の輪が次々に広がっているのは加平さんのお陰です。
印象的だった「まだまだ自分にのびしろを感じる」という言葉。
自分の未来。子どもたちの未来。明るい未来を語り、突き進む姿はカッコいい!
ユーモアがあってお茶目でダンディ、こんな年の重ね方って素敵、と心から思います。

【辻本加平氏の所属単会 → 堺市倫理法人会】

※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。