会員企業訪問記

株式会社丸金

株式会社丸金 代表取締役社長 下正晴 氏にインタビューしました。

東大阪で卸売業を営み、創業83年目になります。
2005年2月に社長になってから16年が経ちました。
「社長になったからには勉強せなあかんなぁ~。ええとこ教えたる!」と得意先であった寝屋川の初代会長清水さんにお誘い頂き、2006年12月に入会しました。
元々は、人のいう事を聞かず、ガンコで、自己中で、まるでブルドーザーのようにガンガン前に推し進める性格で、私がとびぬけてポジティブすぎる為、幹部社員さんからは「即行で動く前にリスクも考えて動いて欲しい」と言われます。倫理を学んでからは周りの意見を受け入れられるようになり、今では月に一度、管理職のみを集めて何を言ってもOKなヒアリング会議を行っています。

形を変えて朝礼を導入

 

倫理法人会では6代目の朝礼委員長を2年間拝命し、第1回目の朝礼コンテストを開催させて頂いたこともあり、社内に活力朝礼を導入しようとしましたが、大失敗。
社員からはドン引きされ、反対され、活力朝礼導入をあきらめるか、倫理を辞めるかどっちか選べと迫られました(笑)
倫理を辞めるのは無理やなぁと、活力朝礼の導入をあきらめ、社員の提案や意見を取り入れた形で導入しています。今では社員から提案された自己啓発本や哲学本などから選定する形で職場の教養の代わりとして利用しています(採用者には賞金も!)

写真を4チームに分け社内の改善活動

 

日本を美しくする会の鍵山秀三郎氏(イエローハットの創業者)に、「倒産を防ぐ最大の武器は掃除」とお聞きし、世間一般でいう5S活動を行っています。
中でも、職場環境をきれいに保つよう社員を4チームに分けて、社内の改善活動としてそれぞれが好きな場所(机や棚だけでなく壁や天井なども含めて)を自由に改善(費用は全額会社負担)してもらい、一番良い改善を行ったチームを表彰しています。開始当時は、参加をボイコットするチームもいましたが、自然と皆参加してくれるようになりました。
審査員には、ゲストとしてお得意先や銀行さんなどをお呼びし、マンネリ化を防いでいます。コツコツと焦らずに続けたお陰で社員が働きやすい会社となり、16年前の汚い会社とは見違えるほどきれいな会社となりました。

きれいに整理された働きやすい職場環境

定位置にきれいに整理整頓された用具類

今の取引先だけに頼って胡座をかいているといずれしんどくなる時が来る

 

過去にピンチは2回。どちらも外的要因(取引先の合併・取引中止など)で厳しい経営状態になりましたが、先代社長の命で特攻隊長として取引先の新規開拓を続け、営業部所属時代は無理して受注を取ってきてお得意さんをその都度変えてきましたが卸売業は、「川上から商品が来ないと倒産する」という事がわかっておらず、受注を取ってきた自分が偉いと勘違いし、無理してとった受注で仕入れ先を困らせてばかりでした。
今では全国展開されている大手ホームセンターさんなどともお付き合いさせて頂いていますが、卸売業にこだわらず、楽天で消費者向けに小売業も開始しました。まだ2年目に入ったばかりですが順調に成長しています。

取材後記

 

年末のお忙しい時期にも関わらず快くお受け下さり大変ありがとうございました。
インタビュー中過去の失敗談をイキイキと話されていたのがとても印象的でした。
従業員さんによる社内改善活動では、ファイル5冊にも及ぶ量の改善活動報告がビフォーアフター写真とともに丁寧に記録されており、従業員さん自らが働きやすい会社に改善することができ、認めて貰える。そしてなにより「喜んで働く」ことができる会社が丸金さんなんだと実感しました。

大阪府倫理法人会 広報委員長 今井 雄一郎

変化の激しいこの時代、100年企業へ向けて、どの様な取組をされているのか教えていただこうと楽しみにして取材をさせていただきました。
・ 従業員がのびのびと環境を整えられるように仕組みづくりを行い任せる。それにより、心の整理、気配り、上質なサービス提供につながっていく。
・ 時代に合わせ、卸売業一本からネット小売業へチャレンジ。
など、時代にあわせた柔軟な対応がとれる下社長からはこれからも学ばせていただきたいと思います。

大阪府倫理法人会 広報副委員長 福嶋 保雄

(文責:大阪府倫理法人会 広報委員長 今井 雄一郎)

※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。