アキツ工業株式会社 代表取締役社長 小川真紀 氏にインタビューしました。
女性が働きやすい会社を目指す!
〇 女性が働きやすい会社を目指す!
取材の冒頭、小川社長がまず口にしたのは、「働き方改革」というワード…。
父である創業者の後を継ぐと決めた当初は、「とてもではないが、女性が働ける環境ではなかった」とおっしゃいました。
会社を継いだ当時、小川社長のお子さんは、まだまだ幼かったものの、会社を優先し、子どもの世話はその後、という状態で、子どもが病気になっても休むことさえできなかったと言います。
がむしゃらに働いて、気が付いた時には心身とも限界に達していました。
「これでは従業員にも、長く働いてもらえない」と実感し、「女性が働きやすい会社を目指す」と決めたそうです。
まずは、有給100%を目指し“全ての仕事を、みんなが出来るように”という「研修」を
行いました。
社長はもともと教師の経験があり、その経験がとても役立ったとおっしゃいます。
この研修で、一つの仕事を数人で共有できるようになりました。
結果、仕事を休んでも業務は滞らず、仕事が回っていくようになったのです。
一方、従業員もそれぞれの生活が充実し、心にゆとりが出来るようになり、仕事の効率がよ
り上がっていった…。
つまり、両方に良い効果が芽生え始めた。という事になっていったそうです。
〇廃材の再利用で、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の実践
今では、有給1 0 0 %!「女性が働きやすい会社」
それは男性にとっても働きやすい会社となり、まさに「働き方改革」への取り組みの素晴らしい結果となっていったそうです。
取材の中でもう一つ強く印象に残ったのは、廃材の再利用と5Sの実践です。
アキツ工業さんでは、プラスチック樹脂やパッケージからでる廃材を、捨てることなく再利用してらっしゃいました。
例えば、倉庫内の棚の所在(番地のようなもの)を表す番号パネルや、資材がまざらないようにした仕切り板。棚の所在番号にひも
づけられた資材が何であるかを示した掲示板。テープカッター一つずつに番号をつけて分かりやすく収納された箱。
まだまだあるのですが、スペースの都合で割愛せざるを得ません。
それらは全て廃材で再利用されたもので、効率的に表示されていたり、紛失に備えるなど、徹底した管理が行き届いたものでした。
この当番表も、廃材で作られているのですが、メンバーが変わっても、時間配分が変わっても、簡単に変更が出来るように磁石で工夫されています。
先にあげた事例から、モノの無駄と時間の無駄がなくなり、従業員が気持ちよく仕事ができるようになりました。
そして、物を大切にする心。工夫することの大切さを学ばせていただいたように思います。
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取材後記
女性経営者という事で、個人的に興味を待ち、アキツ工業様を取材させていただきました。
女性だからこその、きめ細やかさや心使い…見えないところまで5Sを徹底的に実践されている点に敬意を持つと同時に、大きな学びを頂きました。
また、きれいなフラワーアレンジメントを飾って環境を整えていらっしゃるところなど、女性ならではのやさしさも、合わせ持っていらっしゃる小川社長。
厳しさとやさしさの両輪がうまく生かされている、理想の女性経営者像がここにあると実感しました。
(文責:大阪府広報副委員長 吉見 博美)
※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。