会員企業訪問記

株式会社ジェイェスケー

株式会社ジェイエスケー 代表取締役 上能 喜久治氏にインタビューしました。
(一社 倫理研究所 法人スーパーバイザー)

取材に行った日は、会社の入り口に「今月の言葉」として、こんな文章が墨文字で掲げられていました。

損と得の道あらば 損の道を行くこと
苦と楽の道あらば 苦の道を行くこと
難と易の道あらば 難の道を行くこと

個性的な外観(表情は、時間によって変わります)

会計事務所なので、決算書、申告書、経営計画書などの作成や資金繰りの改善指導などが主な業務です。
決算前検討会、決算後には決算報告会の開催、永年継続契約の感謝状贈呈などはお客様にとても喜ばれています。社員へも永年勤続表彰、子だくさん奨励の手厚い家族手当など、感謝をカタチにしています。
倫理17000に認定され、揺らぎない倫理経営のお手本となっている会社ですが、昭和63年7月1日創業当初は苦難の連続でした。「量質ともに日本一の会社にしたい」とある方に相談したら、次のようなご指導をいただきました。

会社を成長させる3つのポイント

 

社員手帳の経営理念、社是のページ

●人を雇う

家族で手が一杯になったらパートタイマーを雇い、次に社員と考えていましたが、それではいつまでたっても大きくはならないと言われました。お客様に喜んでいただくには、まず何倍も稼いでくれる成長する社員を雇うことだと。そこで、男性1名、女性1名を雇い、3名からスタートしたのです。

●交通の便のいいところに事務所をもうける

優秀な人材を集めたいなら、便利な場所でなければいけないと言われました。6坪で家賃6万円の場所でスタートしましたが、現在の場所は以前から気になっていました。平成元年当時は坪3000万でしたので「何坪買いまんねん?」と失笑されましたが、通る度に車をとめて、「好きやで、好きやで」と言っていたら、10年後に手にはいり、平成12年竣工となりました。

●借金する

銀行に融資をお願いしに行ったのですが、当時はお客様ゼロでしたから、貸せないと言われました。どうしたら貸してくれるのかと食い下がり、夢一杯の事業計画書を提出したところ、ようやく貸してくれたのですが、収入ゼロ、社員の給料や備品の購入などで、すぐになくなってしまいました。天神橋商店街や本町に飛び込み営業をしましたが、なかなか契約には結びつきませんでした。
そんな中、消費税法が施行されることになり、消費税セミナーを開いたところ、とても好評でした。お金をいただきながら「消費税に詳しい先生」と呼ばれ、お客様がどんどん増えていったのです。

永年継続契約、高額納税、税務調査クリアの三冠達成をされたお客様は、金のプレートにその名を刻み、感謝状、記念品とともにお客様にプレゼントします。

号泣した朝礼

 

 

倫理17000認定証

忘れもしない平成5年4月10日の朝礼でした。今期の売り上げ目標はいくらだったかなと社員たちに聞いたのですが、年初の経営計画発表会で、達成すると誓った社員さえも答えられなかったのです。
あまりに情けなくて「なんのために朝早くから働いているのか? みんな幸せになりたくないのか?」と大泣きしてしまいました。
そんなとき、天から3つの言葉が聞こえてきたのです。
1)我欲を捨てる
2)すべてのものに魂がある
3)ありがとうございます
これらを意識し始めてから、業績は右肩上がりになりました。これは今もずっと手帳に書き続けている大切な宝物の言葉ですが、平成13年に倫理法人会に入会し、まさにこの言葉の通りだと実感しているとおっしゃっています。

(取材:大阪尼崎倫理法人会 小林真美 実行委員)
(写真:大久保春秀 広報副委員長)

※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。